一般的には、仕事をすぐ辞めたいと言うと、
「せっかく入社した会社をすぐに辞めるなんてけしからん!」
「最低でも3年は辛抱しろ!」
こういった意見が正しいのかもしれません。でもですよ、こういった老害的な意見はさておき、「この職場に自分の目指しているものはなく、次の会社で自分らしさを取り戻したい」といった想いが強いなら辞めたって良くないですか?
もし、あなたが今そういった間(はざま)で揺られ「上司や同僚に迷惑をかけずになるべく早く、円満に退社したい」と、思い悩んでいるならぜひこの記事を読んでください。
上司に退職を伝えるタイミングや引きとめられずに伝える方法、辞める前に準備しておくことに加え、辞めることで手元から無くなっていくものなどを詳しくご紹介します。
言い出しにくいからと言って、無断欠勤やバックレなどは次の就職活動に大きな痛手を負うことになるので厳禁です。
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この記事に書かれていること
- 仕事をすぐに辞めるのは難しい
- 早く辞めたいのに辞められない事例
- 上司に引きとめられない退職理由
- 退職前に準備しておくこと
- 仕事をすぐ辞める時のQ&A
目次
仕事をすぐに(2週間で)辞めるのはなかなか難しい
少なからず会社の歯車の1つとして働いてきた僕らが、短期間で辞めていくのはなかなか難しいのが現状です。
上司が納得のいく理由が必要になりますし、引き継ぎなども大変です。
よくある事例として、すぐに辞めたいと言ってるにも関わらず「今年度いっぱいは働いてもらう」などと上司に勝手に退社時期を決められてしまうことです。
分からなくもないですが、早く辞めたい僕らには「辞めた後の会社のことなんか関係ない」というのが本音です。なかなか一筋縄ではいかないのが難しいところですね。
会社側の意思を汲みモラルを守れば問題なし
会社側の意思を尊重しながら最低限のモラルを守れば普通の会社なら問題なく辞められます。(ブラックの場合は、会社側がモラルもクソもないので強引でもいいので逃げるしかないですが)
後で詳しく紹介しますが、会社に迷惑を掛けずに退社するポイントは次の4つです。
ポイント
- 辞めたい理由をはっきりさせておく
- 2週間前には退職の意思を伝える
- 退職前に健康保険など手続きの準備をしておく
- 有給休暇中にやることを決めておく
この辺りをクリアにしておけばトラブルなく円満に辞めていけるでしょう。
早く辞めたいのに辞められない困った事例
「少しでも早く辞めたい」というのがこちらの心情ではありますが、短期間での退職ではトラブルは付き物といっても過言ではないです。
退職願を切り出せない
高圧的な上司に対して、辞めることを言い出しにくい。
大体、どんな反応するか想像がついてしまうのが辛いところで、簡単にOKとは言わないのが始めから分かっているんですよね。
結果どうなるかというと、言い出せないままズルズルと時が過ぎていき、結局2年も3年も働き続けることになってしまいます。
上司が辞めさせてくれない
いざ、退職を伝えたとしても上司がそれを認めない。
毎日呼び出され引きとめられることもあります。その対応にこっちが疲弊してしまい最後は「分かりました。やっぱり辞めるのをやめます」と言ってしまう。
会社からお金を借りている
会社から給料を前借りしている場合もありますね。前借り分を返してからでないと辞められない。でも、その額を返し切るには最低でも数ヶ月は掛かる。
会社の団体ローンや団体保険などに加入している場合も辞めにくいですね。
ただし、労基法により借金を肩に社員を拘束することは禁じられているんです。難しい問題ではありますが、法律上は退社後に支払うことも可能です。自分で交渉することもできますし、弁護士に入ってもらうこともできます。
就業規則には「6ヶ月前に退職届けを提出」となっている
なかには、就業規則で「6ヶ月前に退職届を提出しなさい」などと定められている会社もあり、すぐには辞められないといったことがあります。(僕が現在勤めている会社の就業規則にもそのように記載されていました)
ただ、これも法律上は就業規則に則る必要もないんです。法律上は2週間前までに退職届を提出すれば辞めることができます。
例外として、就業期間を定めて雇われている場合は別です。期間満了前に辞めてしまうと損害賠償を請求されてしまうことがあるので期間社員の方は要確認です。
辞めたら無収入になる
当たり前ですね。収入源が無くなれば無収入となります。なんとかなるだろうと軽い気持ちでいると、あっという間にお金は無くなります。
辞めたら無収入になることを自覚し、無くなる前に転職するか、失業保険などを受給する手続きを済ませておきましょう。
退職を申し出る前に辞める意思を固める
退職する意思が弱かったり、あなたのなかに揺らぐ気持ちがあると上司に引きとめられてしまいます。会社側としてもせっかく入社してくれた人を簡単に手放すわけにはいかないので、相当納得のいく理由でない限り必死で引きとめてくるでしょう。
会社側に伝える前にまずは、あなた自身で辞める意思を固めておきましょう。
辞めるにふさわしい理由
- 人間関係がうまくいかない
- うつ病などの精神疾患になった
- 退社後にやりたいことが明確になっている
職場の仲間とうまくコミニュケーションがとれない場合、それを取り戻すのはなかなか難しいので退社を考えてもよさそうです。うつ病などのメンタル疾患を抱えてしまった人は、長期療養となったり、突発的な欠勤を繰り返してしまうこともあります。
結局は、環境を変えることが一番の特効薬となる場合が多いので退社理由としてふさわしいかと思います。
もう一つ、強い夢を持った人物は貪欲に吸収しようとします。社内で得た知識や情報など内部の機密事項まで外部に持ち出してしまう可能性も大いに考えられます。会社としてはそういった野心に満ちた、何をしでかすか分からない人物を留めおきたいとは思わないでしょう。
考え直した方がよさそうな理由
- 嫌いな人から離れたいだけ
- 作業内容が合わないだけ
- 働くこと自体にうんざりしている
- 仕事はいいけど給料が安い
- 上司から強く指導を受けた(上司にムカついた)
- ミスを繰り返してしまい居場所がないと感じてる
上記のような理由は、一時的な感情となっていることが多く、仕事に慣れてきたり職場に馴染んでくると消えてくる可能性が高いものです。退社を考える前に、他に打開策がないか検討してみましょう。
いずれにしても、自分のなかで「辞める」理由をはっきりさせて強い意思を持つことが重要です。
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ちゃんとした退職理由があれば引き止められない
あなたの強い意思が伝われば上司としても納得せざるを得ない状況となります。反対に、意思が弱かったり上司のさじ加減で改善策(職場変更やチーム変更など)が見込めるような場合は必死で引きとめるはずです。
上司に対して「俺がこう言ったら、こう返してくるだろうから、そしたらこう言えばいいな」というようなシナリオをいくつも想定しておきましょう。
「会社をすぐ辞める」理由として使われる内容
ある程度は「上司にひきとめられない理由」の定型があります。全てを本音で話す必要もないので、自分の中でシナリオをしっかりと固めておきましょう。
事実や自分の想いに脚色を付けて「本当に困っているオーラ」をアピールしながら話すといいです。
すぐ辞める理由として使われるのは、
ポイント
- 金銭的な理由
- メンタル的な理由
- 家庭の事情
- 直近で叶えたい夢がある(そのために入社した)
お金の理由「生活できないんです」
今の給料だけでは、もう生活ができないことを伝えます。上司としては、他のみんながなんとか生活しているのに、なぜお前はそれができないんだ?と感じるだろうから、続けて「借金があります。それも数百万円」と、伝えればよほどのことがない限り引きとめられません。既婚者であれば、子供が産まれるだとか、進学などを理由にするのもいいかもしれません。
「僕、病気なんです」
うつ病や適応障害、ADHDといった病名を口にすれば上司を身を引きます。僕も実際にうつ病と診断されたことがあります。
2年勤めた会社で直属の上司から毎日のように叱責を受け心が耐えきれなくなりました。
その時は、退職する際に診断書を見せて話しをしたので全く引きとめられなかったです。(逆になぜそうなってしまったのかと理由は聞かれましたけどね)
メンタルがやられている状況であれば一度精神科に診てもらうことも検討してみてどうでしょうか?案外簡単に診断書を出してくれましたよ。
「家族の世話をしなきゃいけないんです」「家族を見捨てるわけにはいきません」
上司も家庭のことまでは突っ込んで聞いてきません。「一緒に暮らしている親族が病気になってしまい看病しなければいけない」などの理由をつければ引きとめられることはないでしょう。
不謹慎だと言われればそれまでですが、本当に辞めたいのなら親族の方に陰ながら手伝ってもらいましょう。
「僕には叶えたい夢があります」
唯一ポジティブな内容です。この会社に入社したのも、そもそも夢を叶えるためでその準備が整ったから辞めます。上司はがっかりするかもしれませんが、その意思が強ければ強いほどぐうの音もでないような状況を作れるでしょう。
ただし、そういった夢を持っていない場合にこの内容を話すのはかなり精神的に辛い部分もあります。
この場合はどこまで演じ切れるかが要になってきますね。
無断欠勤やバックれは絶対NG!
たとえ上司が辞めさせてくれなくても、無断欠勤でのフェードアウトやバックれは絶対にやってはいけません。
気持ちは分かりますし、僕も学生時代に2回ほど経験はあります。ですが、社会人となってこれをやってしまうと後々自分が苦労することになります。
退職後に必要書類を取りに行きづらいし、懲戒解雇や損害賠償の対象とされてしまうこともあります。今後の転職のことも考慮し、なんとしてでも、上司に退職を認めさせて、両者納得のうえで退社していくようにしましょう。
退職を申し出るのは口頭でも充分
役職が付いていたり、特別な理由がない限りは口頭で退職の意を伝えても問題ありません。
入社して3年未満であったり、会社の経営にそれほど大きく関わっていないのであれば「○月○日に退職させていただきます」と明確な期日を伝えれば退職届などの形式的なものは必要ない場合が多いです。
(僕の場合、退職届を提出したのは1度だけでした。ネットで調べたら退職届は書くべきみたいなことが紹介されていたので提出したけど結局受け取ってもらえませんでした)
退職届という形式的なものより、上司や社長に直接伝えることが重要かなと思います。
怪しいなと思ったら内容証明郵便
とは言っても2つ返事でOKをもらえたり、気のない返事で返されたりして不安だなと感じるようなら証拠を残すという意味でも郵便局の内容証明郵便を使うといいでしょう。
言った、言わないが解消されます。
郵便局の内容証明とは
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。
引用元:郵便局「内容証明」
退職の準備をする
退職の意思が伝われば早速辞める準備を始めましょう。だからといって、いきなり机の整理や身辺整理を始めるのはNG。あなたが辞めることを上司以外はまだ誰も知らないはずなのであからさまに退職準備を始めてはいけません。
退職届が受理されたといっても、それは、あなたと上司の間だけの話で同僚達にはまだ話が及んでいないはず、退社ギリギリまで明かす必要もないので水面下で退職の準備を始めましょう。
万が一バレたとしても、「引きとめには耳をかさない」「ダメと言われても聞く耳を持たない」これだけは徹底して起きましょう。
生活費の確保
生活費として何ヶ月間耐えられるかは辞める前にしっかり試算しておきましょう。転職までに時間がかかりそうなら各種手続き(年金、健康保険、失業手当、傷病手当、生活保護など)の手続きを済ませてください。
生活費困窮状態で転職先を探しても、生活できない焦りからしっかり検討しないまま転職先を決めてしまう傾向にあるので要注意です。余裕を持って生活費を確保しましょう。
転職先を考える
次の転職先を探しましょう。辞めてからの「精神安定期間」は1ヶ月程度に留めておいて、フリーターやニートになることは避けましょう。一度社会から離れてしまうとなかなか戻ってこれなくなってしまいます。
ヤりたいと思える仕事を決めて履歴書を送ったり、面接のアポをとっておきましょう。
退職と転職を繰り返しているようであれば、第三者の意見を聞いてみるのもいいかもしれません。特に身内の方は親身になって相談にのってくれるでしょう。相談できる相手がいないという方は転職エージェント(就職アドバイザーと呼ばれる転職のプロに無料で相談できる)を利用してみるのもいいでしょう。
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会社人事と直接連絡を取るようにしておく
退職を伝えた後は上司や同僚とコミュニケーションを取りにくいと思います。
人事と直接やりとりをすることで、機械的に手続きをしてくれるので精神的な消耗を避けることができます。人事はそういう手続きをするための窓口だと割り切れば、こちらも機械的に手続きを進めていけます。
退職後に会社に行かなくていいようにする
退職時には、会社から受け取る必要があるものがいくつかあります。退職後にわざわざ会社に行ってもらいにいくのはかなり気まずいと思うので辞める前にもらえるものはもらっておきましょう。
退社時に会社から受け取る物
- 離職票
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 未払い賃金
- 退職金
離職票や源泉徴収票などは退社した会社からしか受け取ることができないため辞める前に用意してもらいましょう。
最後まで気を抜かずに紳士的対応で退職する
「もう辞めるからテキトーにやっとけばいいや」という考えは禁物です。
おそらくあなたが抜けることで、同僚や上司は新たな仕事が増えるはずです。ただでさえピリピリした雰囲気の状態なのに、気のないあからさまな態度は周りを苛立たせてしまいます。
余計なトラブルに巻き込まれてしまう可能性も十分にあるので、あくまで紳士的な態度で残りの時間を過ごすようにしてください。
- 退職後も資料請求などで会社に連絡をとる可能性がある
- 転職後も辞めた会社の人と接点がある
- 一緒に働いてきた人々に対する罪悪感の緩和
仕事をすぐに辞める時のQ&A
辞めると決まってから短期間で退社していく場合の疑問点をいくつかまとめてみました。
すぐに辞めたい!
結論から言うと、就業規則より早く辞めることはできます。法律的な話でいくと、退職の意を示せば従業員は2週間で辞めることができます。その際に会社側や上司が引き止めることはできないのです。
なので、就業規則に「6ヶ月前に伝えてください」と記載されていたとしても、無理に続けなくても大丈夫です。
※ただし、期間契約の方は、締結した期間の契約となっているため途中で退社した場合には会社側から損害倍書請求を受けることもあります。
一刻も早く辞めたい!
法律的な概念ではNGとなりますが、会社側と同意が取れているなら大丈夫です。
ただ、同意が取れなかった場合は立場的には不利になります。対策として残りの出勤日数を有給休暇などの取得に充てることはできます。
タイミングが分からない
毎日忙しくしている上司にどのタイミングで話しかければいいのかというと、
- 昼食を食べた後
- 仕事が落ち着いている時間帯
- 朝の朝礼終了後
- 上司の機嫌の良さそうな時を見計らって
おすすめは、昼食後のゆったりした時間がいいでしょう。ただし、休憩時間が明確に決まっているような会社の場合は、休憩中二話しかけるのはNG。上司の機嫌を損ねてしまうことになりかねません。ある程度は、上司の機嫌を伺いながら上記のタイミングのなかで話しやすそうな頃合いをみて話しかけましょう。
辞めた後が不安
会社を辞めてしうと以下のようなリスクがあります。
- 収入が一気にゼロになる
- 就職先を探すのに時間と労力がかかる
- 退職した回数が増えると面接に不利
- え退職を嫌がっていた彼女に突き放されることも・・
- 家族からの「就職しろ」プレッシャー
- 仕事上やりとりをしていた親しい人と疎遠になる
次の仕事が不安
「今度の会社でもまた同じことを繰り返してしまうかも。。」
確かに不安ですよね。そういった人のために転職エージェントという(無料)サービスが存在します。詳しくはこちらのページに書いていますが、転職のプロ達があなたの就職がうまくいくように職業適性診断を行ったうえであなたにあった転職先を紹介してくれます。
「どうして俺はすぐ会社を辞めちゃうんだろう」といった悩み相談も聞いてくれます。
損はしたくない
ボーナスを満額もらいたいのであれば、やはり退職届はギリギリまで出さないほうがいいです。
退職者には満額査定を与えないという会社もあるので注意してください。退職時のボーナスについてはこちらの記事にまとめてあるので参考になれば幸いです。
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まとめ:早めに決断して新たな仕事で活躍の場を探そう!
仕事をすぐに辞めるにはそれなりに高いハードルだということはお伝えできたかと思います。
まとめると
- 辞める意志を固く持ち
- 引きとめられない理由を考えて伝える
- 辞めると決まれば在職中に次の準備を始める
- 辞めるまでしっかり大人としてのマナーを守り通す
- 次の転職は慎重かつ迅速に行う
自分の中で答えが出たなら少しでも早く次の活躍の場を模索していきましょう。次のステージへの一歩として、履歴書を書いたり、持っている資格を整理したり自己アピールポイントを探したりとやることはいっぱいです。
これまでの経験値を生かして、新たな活躍の場を見つけてください。辞めるために消耗するのは時間が勿体無いです。早めの決断を。
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